2024年問題対策のリアル、DXによる業務改善 ~原材料供給の最適化、荷待ち時間の短縮を実現~
はじめに
生産から物流・販売までを一貫して行うオンリーワンのビジネスモデルで事業を展開し、製パン業界で売上高第1位を誇る山崎製パン株式会社(以下、「山崎製パン」)様。愛知県の安城工場では、資材課および守衛係の皆様にKG TruckCALLをご利用いただいております。
今回は、KG TruckCALLの導入背景やその効果について、お話を伺いました。
KG TruckCALLの導入背景
安城工場では、1日約50台、月間で延べ約1,500台のトラックによって、パンの原材料が納入されています。
2024年4月の働き方改革関連法の改正に伴う物流2024年問題を契機として、納入車両、荷待ち・荷役作業のアナログ管理からの脱却を図ることになりました。
さらに、2024年問題により、これまでトラックのドライバーが行っていた原材料の荷降ろし作業を、資材課が担うことが予想され、業務量の増加が確実視されていました。そのため、業務効率の向上が急務となっていました。
KG TruckCALLの選定理由
当時、多くの企業が2024年問題に対して手探りの状況であり、私たちも情報収集を行っていましたが、具体的な解決策や事例はまだ少ない状況でした。そのような中、テレビの特集で2024年問題が取り上げられ、その際にKG TruckCALLの存在を知りました。
私たちが目指していた業務改善がリーズナブルな価格で実現可能であることが分かり、さらに営業担当の丁寧なサポートも大きな要因となり、総合的な観点からKG TruckCALLの導入を決定しました。
KG TruckCALLの導入効果
リアルタイムで状況を把握し、製造現場への原材料供給を最適化
パンの原材料は、契約している取引先や運送会社のトラックによって毎日工場に納入されています。
トラックのドライバーは工場に入場する際、守衛所で受付を行い、その後トラックを駐車エリアに移動して荷待ちします。
資材課・バース・守衛所・駐車エリアはそれぞれ離れた場所にあるため、アナログ管理を行っていた当時は、どのトラックが到着しているのか資材課では確認できませんでした。
そのため、急ぎで作りたいパンがある際には、必要な原材料を載せたトラックが到着しているかを守衛係に問い合わせて確認する必要があり、非常に非効率でした。
KG TruckCALL導入後は、ドライバーが工場へ入場する際に守衛所に設置された受付端末で受付登録を行うようになりました。
資材課には業務端末が設置され、リアルタイムでトラックの受付状況を確認し、バースへの呼び出しが行えるようになりました。
製造現場に原材料を提供する際にはピッキングが必要ですが、原材料の到着状況がわかることで、事前に準備ができるようになり、ピッキングの順番や荷降ろしの場所を考慮しながら、バースの利用を管理できるようになりました。
その結果、業務効率が大幅に向上しました。
荷待ち時間・作業時間の可視化と報告業務の簡略化
KG TruckCALL導入後、ドライバーが受付登録した時間、バースへの呼び出し時間、接車した時間、荷降ろし作業が完了した時間が自動的にシステムに登録されるようになりました。これにより、手書きでの記入忘れやドライバーに確認する手間もなくなり、業務が効率化されました。
さらに、システムに登録されたデータは簡単に出力できるため、本部への荷待ち時間や作業時間の報告が大幅に簡略化されました。
また、バースの利用状況がデータ化されたことで、トラックの流れが可視化され、作業時間などへの意識がこれまで以上に高まってきた点はよかったと感じています。
※こちらの画面はサンプルです。
バースの利用効率を向上し、ドライバーの荷待ち時間短縮を実現
以前は、守衛係がトラックのバース利用状況を管理し、トラックの呼び出しを行っていました。
荷降ろしが完了したトラックが守衛所で退場手続きをするタイミングでバースが空いたことを確認し、それから次のトラックを呼び出していたため、トラックがバースから守衛所まで移動する際にロスが発生していました。
KG TruckCALL導入後は、荷降ろし完了と同時に資材課が次のトラックを呼び出すことが可能になり、このロスが解消されました。1件あたりの時間は小さく見えますが、これが積み重なることで、大幅な時間短縮を実現しています。
安城工場には、トラックが縦付けできるバースが4つ、横付けできるバースが1つあります。この横付け用バースが1つしかないため、横付けが必要なトラックでは待機が発生することがありました。
KG TruckCALL導入後は、横付け用トラックの到着状況をリアルタイムで確認しながら、適切にバースを案内することで、全体的に待機時間を削減することができました。
トラック呼び出しのオペレーションを簡素化し、守衛の業務負担を軽減
KG TruckCALL導入前は、守衛がバースの利用状況を紙に記録し、バースに空きが出た際には待機しているトラックのもとに呼びに行ったり、ドライバーに電話をかけるなど、トラックの呼び出しとバースの案内を行っていました。そのため、トラックのタイプ(縦付け・横付け)を把握するなどの管理ノウハウが必要で、守衛に大きな負担がかかっていました。
アナログ管理のため、稀に到着しているトラックが受付手続きのミスなどで長時間待機するという問題も発生していました。
KG TruckCALL導入後は、資材課が業務端末でボタンを押すだけで、LINEで簡単にトラックの呼び出しができるようになりました。
これにより、守衛はトラックの呼び出し業務から解放され、工場への来訪者の監視や受付など本来の業務に集中できるようになり、業務負担が大幅に軽減されました。
今後の展望
データの利活用による業務改善
現在、KG TruckCALLからデータをCSVファイルで出力し、項目等の編集を行った上で定期報告しています。
報告書をより簡単に出力できる機能があれば嬉しいです。
また、荷待ち時間のさらなる短縮や、原材料のピッキング作業の一層の高効率化を目指したいと考えています。
そのため、KG TruckCALLに登録されたデータを活用し、柔軟な分析が可能になることを期待しています。
ドライバーの受付登録作業の簡便化
安城工場では、同じドライバーが1日に複数回納入することがありますが、現状では毎回運送会社名やトラックのタイプを受付端末で選択する必要があり、手間に感じるドライバーもいます。
今後、受付手続きをより簡単にすることで、ドライバーにとっても使いやすい仕組みを提供できればと考えています。