方針・基本的な考え方
人材育成方針
兼松の価値創造の源泉は人材であると考えており、兼松の人材が大切にする根底の価値観は変わらずとも、会社が目指す成長の方向性に合わせて人材に必要な知識・経験は変化していくため、より持続的に価値創造ができる人材を増やしていくための採用・研修・育成を実施します。
概要
以下の当社の大切にする価値観を体現するためには、どのような環境下でも実行力を発揮し、最後まで責任を持ってやり遂げる意欲を持ち、取引先や社内関係者と適切なコミュニケーションを取ることができる優れた人格が必要であると考えています。
当社の人材は、新規ビジネスを事業化していく熱意、挑戦心のある旺盛な冒険心、新たなビジネスモデルの構築、既存の概念に捉われない新しい発想の展開ができる革新的な思考を大切にしています。
当社では、持続的な価値創造のために、優れた人格を基盤として、会社が目指す成長の方向性に合わせた人材育成を行っていきます。
兼松が大切にする価値観
- お客さま・お取引先、社会の課題を解決する使命感、責任感
- 一粒の種をまくための創意工夫と挑戦心
- お客さま・お取引先との共創共栄を大切にする誠実心
- 働く情熱と共に同じ目的に向かって邁進する団結心
人的資本基本方針と成長の方向性イメージ
研修体制
兼松ユニバーシティ
今後も中長期にわたって「価値」を持続的に創造していくため「付加価値の獲得・規模の拡大」を成長の方向性の1つに設定しています。当社では「付加価値の獲得・規模の拡大」をしていく中で、経営者の育成が必須と捉えており、新たなビジネスを創造する経営者の育成を目的として、従来の研修制度を強化・体系化した「兼松ユニバーシティ」(以下、「KGU」という。)を、2019年7月から開講しました。KGUのカリキュラムは、教養、対人知識・スキル、業務知識・スキルの3カテゴリーで構成されており、内容によってe-learningと集合研修に振り分けた豊富な講座を受講できる仕組みになっております。ビジネスマナーや語学など基礎的なものから、事業投資や法務、アンガーマネジメントなど専門的な知識も身に付けることができる内容となっており、次世代のマネジメント層となる人材の育成に努めています。
人材育成の全体像と考え方
Graduate School(社会人歴11年目~15年目相当社員が対象)/人材ゴール像
コンセプト
高度な経営KNOWHOWを習得している状態
人材ゴール
- 経営の専門知識が装着されている
- マネジメントが “わかる” から “できる” 状態となっている
- (複数事業の)経営戦略、M&Aに関する具体的な知識
- コーポレートガバナンスやリスクマネジメントに関する知識
- 目標設定、業務管理、チームビルディング、人材育成の実践スキル
- ミッション策定、中長期部門戦略策定と組織設計の実践スキル
主要な研修プログラム:「経営者育成研修」
経営者としての視点でビジネスや組織を運営する能力を身に付けるため、2018年3月期より導入した研修です。初年度は部長層を対象として実施し、2020年3月期以降はGraduate School在籍者を主な受講対象として実施しています。戦略策定力・人材マネジメント力の養成、経営者に必要な基礎知識の習得を目的とし、「付加価値の獲得・規模の拡大」を目指していく中で、組織をリードし、事業経営ができる人材の育成を行っています。
[プログラム概要]
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戦略策定
財務(会計・M&A)、企業理念、戦略
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人材マネジメント
管理職・経営者としての組織運営、目標、評価、コミュニケーション、コンプライアンス
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経営者基礎知識取得
ハラスメント、会社法、ガバナンス、海外子会社管理、SDGs
Under Graduate School(社会人歴1年目~10年目相当社員が対象)/人材ゴール像
コンセプト
経営に必要な基本知識を網羅的に習得する
人材ゴール
- 次期経営者(グローバルリーダー)として、事業の創造者、及び経営者としての見識を身に着け、実際の業務で経営者として経営を任せられる状態
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知識
経営戦略、ファイナンス、アカウンティングなどの経営全般知識
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経験
なんらかのプロジェクトのPMOや組織マネジメントの経験
主要な研修プログラム:「ビジネスプラン策定研修」
兼松グループは、強みとしている事業領域の深化や事業創造に向けた新規投資などへのチャレンジを通じて、企業価値の向上を目指しています。
事業創造に必要な基礎知識を初年度に学び、翌年度はチームによるワークショップ(新規ビジネスプランの策定)を行い、InputとOutputの両側面から事業創造人材の育成に力を入れています。
[プログラム概要]
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基礎講座
論理的思考、経営戦略、ビジネスプランニング、アカウンティング、ファイナンスについて学ぶ。
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発表会
学んだスキルを活かし新たな事業計画書を各営業統括室に発表する。
管理職向けプログラム(兼松ユニバーシティ対象外)
「評価者マネジメント研修」
組織を動かすリーダーが時代の変化に合わせて適応していくことは、戦略の策定から実行、組織のエンゲージメント向上まで大きな影響を持ちます。
本研修は半年間にわたって実施され、リーダーが果たすべき役割を時代環境の変化を踏まえて認識し、ニューノーマル時代におけるマネジメントの手法を身に着けるものとなっております。
[プログラム概要]
リーダーシップ、心理的安全性、エンゲージメント、目標設定など、組織マネジメントにおける重要な要素を学ぶ。
「新任課長研修」
新たに課長職に就任した社員に、インサイダー取引や部下の健康管理、ハラスメントなど、組織を守るために必要な知識を改めて修得してもらいます。
特にハラスメントに関しては、実際にハラスメントが発生した場合やその報告があった場合に、管理職が取るべき対応についての教育を実施しています。
[プログラム概要]
人事労務(ダイバーシティ、派遣法、労務管理、健康管理、他)、コンプライアンス、インサイダー取引、内部統制、ハラスメント等
人材への投資状況
年間研修実施時間※1 | FTE※2一人当たり 平均研修時間 |
年間投資総額 | FTE一人当たり 平均研修費用 |
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2022年3月期 | 20,403時間 | 25時間 | 9,139万円 | 11万円 |
2021年3月期 | 14,500時間 | 19時間 | 10,300万円 | 13万円 |
- KGUの合計。2021年度はGraduate School(GS) の年度途中開講科目を含まない。
- フルタイム勤務に換算した場合の人数(FTE:Full Time Equivalent)であり、休業者・再雇用・嘱託職員は含まれない。
- 集計期間は7月1日~翌年6月30日
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KGU各コース内訳
2021年3月期
ベーシックコース67時間(123人)、アドバンスコース11時間(85人)、プロフェッショナルコース21時間(38人)
2022年3月期
ベーシック63時間(175人)、アドバンス28時間(112人)、プロフェッショナル19時間(47人)、GS50時間(102人)
DX人材の育成
当社が関わるサプライチェーンにおいて、デジタル技術や自動化技術を活用しながら次世代に適合したビジネスへのシフトを目指し、取引先と協力して共に変革への困難を克服するDXを推進しております。当社が求めるDX人材にはデジタルの知見だけではなく、ビジネスの知見との掛け合わせが必要と考えており、ITリテラシー向上のための研修のみならず、デジタル技術を扱うグループ内企業との人材交流等も通じて、取引先などのデジタル化段階に合わせたDXを推進できる人材を育成します。
評価制度
人事考課制度において、MBO(目標による管理)により組織目標に対して個人の特性や今後の成長を踏まえ具体的な目標設定を行う「R&C制度」を設けています。
R&C制度では、期初に目標を設定、期央 REVIEW および期末に REVIEW
にてその達成度を確認することで、処遇や評価に反映しています。また自身のキャリアや業務内容等を確認する場としても活用し、チャレンジする人材を育成する一助としています。